国内の4大鉄鋼メーカーのひとつ、日新製鋼の代表取締役社長を務める三喜俊典氏が、どのような経歴で現在の地位に就いたのか、また、同社の事業内容について紐解いてみました。
三喜氏は昭和25年生まれの66歳で、出身は福岡県です。昭和50年に旧日新製鋼に入社。平成15年に同社執行役員、同22年に取締役常務執行役員、同23年に代表取締役社長、CEO(最高経営責任者)に就任しました。平成25年、日新製鋼と日本金属工業が経営統合し、日新製鋼ホールディングスが設立され、翌年の平成26年には日新製鋼に商号変更、新たな日新製鋼として再スタートを切りました。
旧日新製鋼の起業は明治41年、前身の田中亜鉛鍍金工場として創業しました。その後は昭和6年に日本金属工業、昭和34年に旧日新製鋼を設立。現在は東京都千代田区に本社を構え、従業員は約6900人。事業内容は鋼材の製造、加工、販売を手がけています。国内の鉄鋼メーカーとしては新日鉄住金、JFEスチール、神戸製鋼所に次いで国内第4位の規模。米国ウエストバージニア州にアルミ・亜鉛めっき鋼板製造の合弁会社を設立するなど、海外への事業展開も成功させています。
グループ企業として日新製鋼建材株式会社、日新鋼管株式会社、日新製鋼ステンレス鋼管株式会社、月星アート工業株式会社などを抱えています。
業務は表面処理製品、ステンレス製品など、いわゆる薄板部門に特化しており、表面処理の分野は創業当初から長年にわたりノウハウを蓄積し、亜鉛めっき鋼板とアルミめっき鋼板は美しい表面の仕上がりと耐久性が高い評価を得ています。この分野ではさらに新技術の開発に努め、さらなる製品の充実とラインナップ拡大が期待されています。
ステンレスの分野でも業界をリードする立場で、優れた耐熱性、加工性、強度などを併せ持つ数々の製品を世に送り出しています。
三喜俊典氏は「若い時代に失敗することなしに、いいビジネスマンになることはできない」「失敗を恐れて何も残らないよりも、少々の傷を負っても、自分の中に何かを蓄えていった方が、仕事がずっと楽しく、充実したものになるはず」などの言葉を残しています。
また、三喜俊典氏は平成29年の年頭にあたり「私たちはこれからも存在感、存在価値のある会社であり続けること、そして将来にわたり成長し続けていくことが必要」「お客様中心主義に基づき、鉄を通じてお客様の夢と理想を実現するお手伝いをしたい」と訴えています。