宮田孝一氏は、メガバンクの一角である三井住友フィナンシャルグループの取締役社長です。その経歴としては生まれが徳島県で東京大学の法学部を卒業後に1976年に前身である三井銀行に入行しています。
その後、三井銀行と住友銀行などの様々な金融機関の合併などが起きますが、社内では重要な役職である市場資金部長などを経て、2009年には三井住友銀行の取締役専務執行役員となっています。そして現在は三井住友銀行の取締役専務執行役員を兼ねながら、2011年4月より三井住友フィナンシャルグループの取締役社長に就任し、持ち株会社である三井住友フィナンシャルグループを率いています。
三井住友フィナンシャルグループの事業内容は持ち株会社であるため、その傘下に存在する銀行等の関連子会社の経営管理を担っています。例えば銀行業としては三井住友銀行が存在し、それを中心としてリース業、クレジットカード業、情報サービス業まで幅広いグループ企業が存在し事業を行っています。
宮田孝一氏はメガバンクの一角である三井住友フィナンシャルグループのトップであるため、その発言も注目されており、経済界やマスコミなどでも、金融に対する経験や考察、夢などを語る機会も多いです。なかでも近年はフィンテックという金融技術が登場し、既存の店舗経営による金融事業の展開は限界があると語られています。
なお日本の場合は外部からの脅威を乗り越えた形で金融システムが構築された歴史がある一方、世界的にも誕生した革新的な金融技術も登場しているためそれの対応と、そうした分野の二つの面をバランスよく事業を展開していく必要性を訴えています。さらに宮田孝一氏は金融業へ新たに進出する企業を敵対するよりも共存を図り、しかも顧客などを紹介し合ったりして事業を拡充するという夢を描いています。
その証拠にGMOの子会社と決済代行会社を共同出資して起業し、時代のニーズに合った金融サービスを展開し始めています。他にも系列会社の三井住友カードが、スマートフォンによる決済サービスを手掛けているアメリカの会社に出資したり、積極的な側面も見られます。
銀行業は致命的なリスクを避ける必要があるため、どうしても垣根が高く守りに入りやすいですが、そういった中でいかに攻めの姿勢に移れるかがカギだと考察されています。なお三井住友フィナンシャルグループは、家電メーカーの大手である東芝との結びつきも強く、東芝の立て直しのための主要取引銀行として対応をどうするかといった課題も存在します。